活動報告

纏向遺跡

 今日で夏休みも最終日ですね。今年の夏休みは、暑さの記録を作ったようですが、この暑さ、まだしばらくは続くとの予報が出ていますので、暑さ対策は、引き続き万全にお願いします。
 さて、先週、わが国の古代国家の始まりとして注目されている、現在、発掘中の向遺跡の見学に行く機会がありました。現地では、今の作業の内容や、丁度掘り出されたばかりの、今から1700年ほど前の桃の種の実物を見せてもらう事が出来ました。千個以上出てきているとの事で、こんなに大量に出てきているのはここだけだそうです。現場では、何故かと言う疑問の探求が始まっているようです。他にも、木片なども多数出てきていましたから、当時既に文字が使われ始めているとの事ですので、今後、洗浄されてそれらが判明すればそれはそれで凄い事でしょうし、また、それらが何に供されていたかなど、解明が進む事に期待するところ大です。なんか久しぶりに、子どもの時に味わったわくわくする好奇心をくすぐられました。
 しかし、1700年もの長い間、朽ちずに今日まで地中に保存されているのがこれまた凄いですよね。その要は、水の層に守られてたからとこの事です。もし、何らかの原因でこの間、地中の水位が下がって、埋蔵物周辺の土が乾いてしまえば、これらの物は全て土にかえっていたとの事ですから、自然の埋蔵物の管理能力と言うのは大したものですよね。その働きにはびっくりさせられました。
 常識として、史跡の保存は原状のままにする事が基本中の基本のようですね。ちょっと話はそれますが、奈良県を南北に貫く京奈和自動車道の工事が、現在、進められています。既に、大和御所道路の大和区間のうち、郡山南ICと橿原北ICの間は供用が開始されていて、大変便利になりました。問題は、大和北道路でして、その北半分程が、現行のまま工事が進められてしまいますと、お話した自然の管理能力に極めて大きな影響を与えてしまいかねません。それは、工事の中身が巨大な地下トンネルの構築だからです。この工事で地下水脈にどんな影響を及ぼすかが予測不可能です。そのことで、平城宮跡周辺の地下の水位が変動してしまうと、これまで1300年以上にわてって、地中に大切に保存されてきた奈良時代の歴史的な遺物などが、先ほどの話のように土にかえってしまう事できれいに失われてしまい、歴史的資料として後世に伝える事が難しくなってしまう可能性が非常に高いという事です。もちろん、今日の調査結果のデータ保存などは怠りなく進められるでしょうが、自然の管理能力に対して人類が手を出してしまいますと、高松塚の壁画が良い例ですが、結局遺跡としての価値を、人類の意図に反して結果として潰してしまう事になるだけです。この事を教訓として、地中の遺物の保存を簡単に考えん方が、後々の世のためと私は痛感しているところです。
 道路建設などルート決定を進める上で、分かっている遺跡を、史跡保存の基本中の基本である原状保存を無視して進める事はたやすい事ですが、ひとたび失ってしまうとそれはもう元には戻せませんから、取り返しがつきません。問題はそこです。今が良ければそれで良いのか、遺跡の保存問題として手をつけてはならない聖域をきちんと設けて、関西大環状道路の一翼を担う事となる道路の建設には当たるべきですし、突き詰めれば、この大環状道路の必要性も今後何度でも検証すればよいと思います。和歌山への物流や命の道も大和北道路の開通を急がなくとも、大和御所道路以南が完成すれば、まずは、大動脈の完成を見た事とほぼ同じです。歴史的な遺産、史跡の価値と言うものは、そう簡単にその重要度を比べられるものでは有りません。それは、何事にも代えがたい大変貴重な人類の財産だからです。
 皆さんは、どう思わはりますか。平城宮跡の直近を通り、奈良市内を南北に通過しようとする現行のルート案は、変更するべきだと感じはりませんか。今は地下をトンネルで通過する計画になっているようですから、史跡の保存から言えば、絶対にやってはならない方法を執ろうとしているようですもんね。やはり建設をするのであれば、ルート変更有るのみでしょう。
 私は考古学には、全く無知ですので、えらそうな事は何も言えませんが。今回の纏向遺跡の見学で、わずかばかりの情報をかじったにすぎませんが、今回の少しばかりの体験でも、これらの事が感じ取れる時間を過ごせた事を凄く良かったと思いました。久しぶりに、見てよかったと感じる視察でした。











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川西町議会議員
芝 和也