川西町議会議員芝 かずや

議会報告

平成22年川西町第二回定例会(6月議会)2010年6月15日~6月18日

提出議案

承認第1号
 平成21年度川西町一般会計補正予算の専決処分について
承認第2号
 平成21年度川西町公共下水道事業特別会計補正予算の専決処分について
承認第3号
 川西町税条例の一部を改正する条例の専決処分について
承認第4号
 川西町国民健康保険税条例の一部を改正する条例の専決処分について
承認第5号
 平成22年度川西町住宅新築資金等貸付事業特別会計補正予算の専決処分について

議案第21号
 平成22年度川西町一般会計補正予算について
議案第22号
 平成22年度川西町国民健康保険特別会計補正予算について
議案第23号
 平成22年度川西町後期高齢者医療特別会計補正予算委ついて
議案第24号
 平成22年度川西町介護保険事業勘定特別会計補正予算について
議案第25号
 平成22年度川西町介護保険介護サービス事業勘定特別会計補正予算について
議案第26号
 平成22年度川西町公共下水道事業特別会計補正予算について
議案第27号
 平成22年度川西町水道事業会計予算について
議案第28号
 職員の勤務時間、休暇等に関する条例の一部改正について
議案第29号
 職員の育児休暇等に関する条例の一部改正について
議案第30号
 職員団体のための職員の行為の制限に関する条例の一部改正について
議案第31号
 一般職の職員の給与に関する条例の一部改正について
議案第32号
 川西町税条例の一部改正について
議案第33号
 川西町心身障害者医療費助成条例の一部改正について
議案第34号
 川西町ふれあいセンター条例の一部改正について
議案第35号
 奈良県住宅新築資金等貸付金回収管理組合規約の一部変更について
議案第36号
 川西小学校パソコン等機器の取得について
議案第37号
 訴えの提訴について

同意案第2号
 川西町固定資産評価審査委員会の委員の選任について
同意案第3号
 川西町固定資産評価員の選任について

発議第4号
 改正貸金業法の早期完全実施施行を求める意見書について
発議第5号
 所得税法56条の廃止を求める意見書について




議決された主な内容

◎国保の賦課限度額が63万円に引き上がる
◎失業の場合の国保税基準額が前年度所得の3割に引き下がる
◎10月1日より陶芸用の窯使用料、300円徴収始まる
◎住民税年金天引き給与所得者に始まる
◎川西小学校のパソコン機器が新調される
◎町税の滞納者を町が提訴


議会の意思示す

◎所得税法56条の廃止など、意見書2本可決




 6月議会に提出された議案は上記の26本でした。各議案に対する私の態度表明は、次の通りです。


☆ 専決処理された承認案については、5本の内、1号から4号の4本に賛成し、5号については反対しました。

 1号の一般会計と2号の水道会計の補正予算は、21年度の事業清算に伴い必要な会計処理がなされたものです。
 3号の町税条例の改正は、既に実施の住民税の年金天引きを給与所得者においても実施しようとするもので、法改正に伴う措置であり、制度説明に関して十分周知するよう意見を添えて賛成しました。
 4号の国保条例の改正は、法改正に伴う、賦課限度額を医療分で3万円、支援分で1万円をそれぞれ引き上げる事と、年度途中での失業等、所得を失した場合、前年度所得の3割に保険税基準額を変更する事です。賦課基準の引き上げは、現状では制度上、所得に関係なく資産に関わって算出されるしくみになっているので、具体例が発生の折には、支払い能力に応じた対応をとるよう意見を述べて、賛成しました。
 5号については、会計処理上、21年度の不足分を翌年度から繰り上げ充用して、会計処理を行っているもので、当座は、繰り返せても、回収すべき元金の不足を補うだけで、問題の先送りになるだけの事として、反対しました。



☆ 17本の提出議案のうち、議案第32号、町税条例の改正案と36号のパソコン購入契約案は反対。それ以外については、賛成しました。

 賛成議案の各補正予算案の内容は、職員の人事異動による人件費関係の補正が中心でした。条例関係では、職員の育児や介護に関する休暇の拡充や、地方公務員法の改正に伴う文言整理等が中心の内容となっており、これら15本については賛成しました。
 反対の町税条例案は、子ども手当等の実施に伴う税額控除等の廃止が一つ。株の譲渡益に対する優遇措置が一つ。たばこ税の引き上げが一つの3本柱からなる内容です。一つ目の税額控除等の廃止の影響は、町レベルで見た場合、国保や福祉医療の分野に派生の影響が出る事が懸念され、この分野の対策が未着手となっており問題が有る事。それから、譲渡益に関しては、高所得者の優遇措置の一環で、能力に応じた税負担の原則に反しており問題が有る事。それと、たばこ税の引き上げに関しては、住民の健康増進策等を考慮すれば、税をとること以上に、図るべき措置があり、自治体として未着手の問題が残っている事。等々、これらの点で改善すべき問題点が残されていると判断した次第です。
 ただ、今般の改定は法律そのもの変更であり、自治体として従わざるを得ませんが、これら、派生する問題のフォローは当然必要で、それらを踏まえた制度の改善を求めて、議案に対する態度は反対しました。
 それから、小学校のパソコン購入の計約締結案ですが、購入そのものについては何ら反対するものでは有りません。むしろ、教育環境は大いに整えるべきものと考えております。
 今般の入札は、6社を指名したものの、3社が辞退し、実質3社の競争で行われました。従来、パソコンの導入はリース計約でしたが、購入に切り替えた訳は、購入費用に国の地域活性化策の交付金が充てられる事からです。趣旨からすば、地元にお金が落ちて、地位経済を潤す方向に作用させる事が求められます。そう言う点では、地元業者が競争に参入出来る条件を整備して入札するべきを、ただ、要件を満たすだけの過去の実績等に基づく6社の指名となり、鼻から、価格が合わずに地元業者の辞退を招くなど、配慮を欠いた取り組みになっています。こうした問題点の是正を求めて反対しました。



☆ 発議の2本の意見書については、1つは賛成者、1つは提案者で有りますので、2本とも賛成しています。

 議員発議として、2本の意見書が出席議員(1人欠席)全員の賛成で採択されました。
 一つは、私、芝和也と香川明英議員の賛同で宗行正昭議員提出の全国青年司法書士協議会から陳情の有った、「改正貸金業法の早期完全実施を求める」意見書で、陳情者からの案文をそのまま採用して、提出されました。
 これは、やみ金などの高金利をふせぐべくグレーゾーン等を廃止し、多重債務者等の解決にむけて、既に実施の法律を早期に完全実施する事を、関係する政府機関に求める内容です。
 もう一つは、宗行正昭議員、大植正議員、寺澤秀和議員の賛同で、私、芝和也が提案した、「所得税法56条の廃止を求める」意見書です。 
 これは、現行の所得税法では、自営業者の家族従業員が、働いた分当然受け取るべき正当な給与が、何故か認められておりません。つまり、法律が実際に働いている人の人格そのものを否定すると言う、極めて大きな矛盾を抱えている問題で、その解消を求め、根拠条文である所得税法56条そのものの廃止を、衆参両院議長を始め、関係閣僚に求める内容の意見書です。




6月議会討論


 承認1号、平成21年度川西町一般会計補正予算の専決処分についてより、承認第5号、平成22年川西町住宅新築資金等貸付事業特別会計補正予算の専決処分についての5議案に対する討論を行います。

 態度表明としましては、1号から4号は賛成で、5号については、反対の立場からのものであります。

 承認1号並びに2号については、21年度の一般会計と下水道会計の事業の清算に伴い、歳入歳出をそれぞれ調整する補正内容であります。必要な会計処理がなされていると判断するものです。ただ、結果として、事業清算後の調整で基金費に66百万円ほど積まれる事となりました。当座の運営資金の確保等、その使い道の検討も必要になりますが、見方を変えれば、がんばって調整した結果ねん出できたとも考えられます。ここには一定の努力が伺えますが、もう一歩突っ込めば、この努力を住民への現物給付として、各種の住民施策強化策へ充当する方向が求められるところで有ります。ここら辺は、政策判断が問われる事になりますが、ぜひ、予算編成の検討時には念頭に置かれんことを申し述べる次第です。

 次に、承認3号、町税条例の専決処分についてであります。町長の説明通り、65歳未満で給与所得の有る方の年金における住民税を、その方の給与から天引きできる内容への切り替えです。これは、法律改正により制度を変更するものであり、否定はしませんが、従前からの制度として、年金にかかる住民税の年金天引き開始の折には、この場で町長との議論の中で、「制度上は便宜を図る事としながらも、気分感情の問題として税金も年金天引きかと言う思いはよくわかる」旨の答弁が有りました。今般は、給与所得者ですから、その辺は事情が違いますが、納税は自主計算自主申告が基本で有りますので、この辺の変更点等、制度の説明は十分周知し納得と合意の形成に努められんことを申し添えます。

 次の承認4号の川西町国民健康保険税条例の一部改正についてであります。これは、法施行令の改正に伴い、賦課限度額の引き上げが一つ。それから、年度途中の突然の失業に対しては、前年度給与所得の3割で保険税の算出をする方式に切り替えるもので、この措置は今日の社会経済情勢の一定の反映が伺え、実情に応じた対応がなされていると判断するものですが、国保税の賦課限度額の引き上げに置いては、所得が発生しなくとも資産にかかる分で限度額に及ぶ具体例が生じた折には、支払い能力等の状況をまずは把握する事を抜かり無く進めていただいて、負担能力の実情に応じた措置を取られん事を求めておきます。議論の過程でもその旨の意向が一定みられましたので、ぜひ現状に応じて臨機応変に対応できるよう、制度の調整を求めまして、今般の改定には賛成するものであます。

 次に承認5号の平成22年度川西町住宅新築資金等貸付事業特別会計補正予算についてであります。本承認案の中では、この5号のみ反対の立場からの物であります。中身は、21年分の不足分を繰り上げ充用の処理により調整を図っているものです。毎年繰り返えされている調整措置ですが、やがて、焦げ付きとして残って来るものと推察します。当座の運用としては、通用するとしても解決策を先に延ばしている事にしかなりませんので、問題の発生源の解決につながる措置を早急に打つ事を求め、非承認とするもので有ります。以上、専決承認案に対する討論を終わります。 

 


 議案第21号、平成22年度川西町一般会計補正予算についてより、議案第35号、奈良県住宅新築資金等貸付金回収管理組合規約の一部変更についての15議案に対す討論を行います。態度表明は議案第32号、川西町税条例の一部改正について以外の14議案は全て賛成の立場からの物で、32号についてのみ反対の立場からのものであります。

まず、議案第21号から27号までの、22年度の一般会計並びに各特別会計、公共下水道及び水道事業会計についてであります。町長の提案説明通り、41日付での人事異動に伴う人件費関係の補正が中心で、それ以外の主なものとしましては、一般会計では、いわれ会からの寄付金の処理と国保のシステム改修費用の拠出補正で、国保では、そのシステム改修分としての一般管理費での追加補正であり、全体として必要な予算計上がなされている物と判断いたします。

 次に条例関係の各議案についてであります。まず、議案第28号、29号の職員の休暇や、育児休業に関する条例改定であります。育児や、介護に関して必要な休暇を確保するべく改正がなされております。全体の奉仕者の使命を全うして職務の遂行に当たるためにも、必要な休暇がきちんと確保されてしかるべきであります。届が有れば、遅滞なく処理できるよう適時、必要な体制の確保を行うよう重ねて求めておきます。

 次に議案第30号、31号についてであります。これらは、地方公務員法の改正や規定の適応に関しての条例整備であり、町長の提案説明通り、必要な処理がなされている物と判断するものであります。

 次に、議案第32号、地方税法の改正に伴う、町税条例の一部変更にいてであります。特徴は、子ども手当や、高校授業料の無償化の財源手当てとして、これまで図られていた税の控除措置が廃止される事が一つ、株の譲渡益に対する優遇措置が新たにとられる事が一つ、それから、たばこの税率引き上げであります。

 一つ目の子ども手当の関係では、今回の扶養控除等の廃止により、派生する影響としては、所得税や住民税がその分引きあがる事により、派生する影響として、国保や福祉医療等への負担が膨らむ事が懸念されます。この問題では、もっか国の責任で、影響が及ばないよう措置を講ずるとしていますが、その保証の有無は何とも言えません。自治体としては以前に老年者控除廃止に伴う、派生の影響が思い出されます。
 やはり、ここはひとつ何らかの策の検討が必要ではありませんか。

二つ目の株の譲渡益に対する優遇措置が果たして必要なのかどうか、これは大きな疑問であります。こうした施策は一部の特定の層には有効に働きますが、絶対多数の一般住民には全く縁の遠い分野で有ります。本筋は、こうした株の譲渡益等への課税は、我が国の場合は、諸外国に比べて低すぎるのが実態ですから、世間並みに引き上げてこそ当たり前の取り組みと心得ます。

三つ目は、たばこ税の引き上げです。税制改正大綱では、健康を害するこうした分野については、消費を抑制する観点から、将来に向かって税率を引き上げて行く。と、こう述べています。消費量にもよりますが、自治体の税収としては、プラスに働く要素を持っている事にはなりますが、一部の人の健康を犠牲にするようなこうした取り組みはおのずと控えて行く事が望ましいと考えます。そういう意味では、住民の健康増進に資する取り組み、分野の強化策に力を注がれん事求める次第であります。

本条例改定は、条例そのものとしては、地方税法の改正に伴う変更でありますので、本則が変わっている以上どうする事も出来ませんが、議論してきた事も踏まえ、派生する影響等を自治体としてどうするのかは十分検討する余地は残されています。ただ、単純に法改正に伴う事務手続きの変更と言うわけにはいかない施策と考えます。よって、そうした取り組みを加味した行政施策の中身の変更を求めまして、本条例案に対しては反対するものであります。

次に、議案第33号、川西町心身障害者医療費助成条例の一部改正については、提案説明の通り、療育手帳に記載する障害の程度の表示変更によるものであります。

次の議案34号、ふれあいセンター条例の変更は、陶芸用の窯の入れ替えに伴い、これから先は、使用料の徴収をするので、使用者と未使用者の区分に置いては妥当と判断いたします。

 最後の議案第35号、奈良県住宅新築資金等貸付金回収管理組合規約の一部変更については、生駒市が抜ける事による字句の整理であります。以上、この3議案については何れも賛成いたします。

以上、提案されました15議案のうち、議案第32号の町税条例の一部改正についてのみ反対、それ以外の14議案については何れも賛成する事を表明いたします。


議案36号、川西小学校パソコン機器等の取得について及び、議案37号訴えの提起についてであります。

まず、パソコンの購入についてですが、態度表明は反対の立場からのものであります。川西小学校における機器の購入そのものについては、大いに結構な話で有りますし、本整備には子どもたちも楽しみにしている事と思います。この点では、新たな危機の入れ替えには何ら反対するものでは有りません。議案は、物品購入の入札に関する問題で、その判断の有無が求められている内容であります。入札の経過は6社指名に対して3社の辞退が有り、結果3社の競争により議案に示されている奈良情報システムが落札との事であります。パソコン等の導入は通常はリース契約のところを今回の買い取りと決めたのは、購入財源が全額国費による地域活性化等に関する交付金事業が充てられることから判断されての事であります。目的からすれば、地域の活性化に資するよう、その予算が反映される事がやはり望ましいですし、自治体の行いとしても、地域活性化策は重点的に取り組むべき方策で有ると心得ます。この点、財源の目的からすれば、今回の議案内容は妥当かどうかについては疑問の余地が当然生じる問題です。

 また、入札参加を辞退するに至る要因も伺う限りでは、金額的に到底合わないとの判断が参加辞退を生む結果となっているようであります。発注する側としては、こうした事態が起こらないように、その方法に置いて考慮するべきと考えます。金額的に随意契約は認められませんが、地元業者が競争に参加できる条件を整える事など、こうした考慮は怠ってはならないと判断いたします。結果、競争の原理が働いて強いところが落札するのはしかた有りませんが、参加の条件そのものを欠いていることから、応札してもらえないような事態は当然防がねばならないものと考えます。よって、こうした条件整備を求めまして本議案に対しては反対するものであります。

 議案37号の訴えの提起については、賛成するものであります。納税の約束を履行する条件を意図して反故にする行為と受け止められるようなこのたびの事案は、その状況からして、税収を確保すべく、訴えを提起してしかるべきと判断いたします。ただ、問題の不動産物件に置いて、債務者が賃貸契約を結んでいる店子さんに影響の及ぶ事が無いように、町としては、訴訟の終了後、その執行に置いて十分に配慮検討するよう申し添えておきます。



 



議決された意見書





発議4号



改正貸金業法の早期完全施行を求める意見書



提出者 川西町議会議員
宗行 正昭
賛成者 川西町議会議員
芝 和也
賛成者 川西町議会議員
香川 明英

 


 経済・生活苦での自殺者が年間7,000人に達し、自己破産も18万人を超え、多重債務者が200万人を超えるなどの深刻な多重債務問題を解決するため、2006年12月に改正貸金業法が成立し、出資法の上限金利の引き下げ、、収入の3分の1を超える過剰貸し付け契約の禁止(総量規制)などを含む同法が完全施行される予定です。
 改正貸金業法成立後、政府は多重債務者対策本部を設置し、同本部は①多重債務相談窓口の充実、②セーフティネット貸付の充実、③やみ金融の撲滅、④金融経済教育を柱とする多重債務問題改善プログラムを策定しました。そして、官民が連携して多重債務対策に取り組んできた結果、多重債務者が大幅に減少し、2008年の自己破産者数も13万人を下回るなど、着実にその成果を上げつつあります。
 他方、一部には、消費者金融の成約率が低下しており、借りたい人が借りられなくなっていること、特に昨今の経済危機や一部商工ローン業者の倒産などにより、資金調達が制限された中小企業者の倒産が増加していることなどを殊更強調して、改正貸金業法の完全施行の延期や貸金業者に対する規制の緩和を求める論調があります。
 しかしながら、1990年代における山一証券、北海道拓殖銀行の破綻などに象徴されるいわゆるバブル崩壊後の経済危機の際は、貸金業者に対する不十分な規制の下に商工ローンや消費者金融が大幅に貸付を伸ばし、その結果、1998年には自殺者が3万人を超え、自己破産者も10万人を突破するなど多重債務問題が深刻化しました。
 改正貸金業法の完全施行の先延ばし、金利規制などの貸金業者に対する規制の緩和は、再び自己破産者、多重債務者の急増を招きかねず許されるべきではありません。今、多重債務者のために必要とされる施策は、改正貸金業法の完全施行の先延ばしではなく、相談体制の拡充、セーフティネット貸付の充実及びやみ金融の撲滅などです。
 そこで、今般設置される消費者庁の所管ないし共管となる地方消費者行政の充実および多重債務問題が喫緊の課題であることも踏まえ、国に対して、以下の施策を求めます。



1 改正貸金業法を早期に完全施行する事。
2 自治体での多重債務相談体制の整備のための相談員の人件費を含む予算を十分確保するなど相談窓口の充実を支援する事。
3 個人および中小事業者向けのセーフティネット貸付をさらに充実させる事。
4 ヤミ金融を徹底的に摘発する事。


 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。



平成22年6月15日

奈良県磯城郡川西町議会






発議5号

所得税法56条の廃止を求める意見書

 


提出者 川西町議会議員
芝 和也
賛成者 川西町議会議員
宗行 正昭
賛成者 川西町議会議員
大植 正
賛成者 川西町議会議員
寺澤 秀和




 今日、我が国における中小業者は、地域経済はもちろんの事、日本経済の担い手としてその発展に大いに貢献する事業体となっています。そして、これらの多くは、夫、妻、あるいは子どもなどの家族の協働による自営業者が中心です。

 ところで、所得税法56条では、「生計を一にする配偶者その他の親族がその居住者の営む事業に従事した時、当該事業から対価の支払いを受ける場合には、その対価に相当する金額は、その居住者の事業所得の計算上、必要経費に算入しない」旨を定めています。従いまして、税法上ではこうした家族従業員の給料は必要経費として認められていません。

 この規定によって、事業主の所得から控除される家族の働き分は、配偶者が86万円、家族の場合は50万円が上限とされ、税法上、家族従業者にはこのわずかな所得しか認められていないため、社会的にも経済的にも全く自立できない状況に置かれています。たとえば、給与所得の公的証明が受けられないために、不測の事故に遭遇したような場合でも受けた被害の補償が適正に査定されないとか、罹病した場合の国民健康保険の適用に置いて給与所得者には認められている傷病手当や休業手当が受けられないとかの事態が生じるとか、その他の公的給付の面でも様々な差別的な不利益を被る事になるのです。

 また、税法上では青色申告にすればこうした給料は経費として算入できますが、全く同じ労働で有りながら青色と白色で差をつける制度自体が、憲法の規定からして大きな矛盾をきたしています。そもそも税の申告は白色が原則であって、所得税法143条以下で言う青色申告は、課税庁側の裁量の内に取り込む事が目的で、課税目的と税務執行の便宜の観点から考案された制度である事は言うまでもありません。ですから、自主計算・自主申告が納税の原則でありながら、課税庁の承認のもとに青色申告を選択する制度となっているのです。

 アメリカ、ドイツ、フランス、イギリスなど、世界の主要国では「家族従業員の労賃を必要経費」とする事は当たり前で、我が国においても当然こうした制度に切り替える事が求められているものと考えます。

 また、現行の日本国憲法に照らせば13条、14条、24条、25条、29条等々に悉く違反する事となり、当然改めなければならない問題です。従いまして、税法、民法、労働法やその他社会保障上でも、わが国経済の基礎をなす中小業者の家族従業員の人権を確立し、その保障の基礎をしっかり確立する事を求める次第です。

 よって、国におかれましては、所得税法56条を速やかに廃止することを求めます。

 

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

 

 

平成22615

奈良県磯城郡川西町議会

 


 





ぜひ、ご意見・ご感想をお聞かせ下さい

川西町議会議員
芝 和也

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